バンガード社のETF「VOO」と「VTI」は何が違う?構成銘柄と投資アプローチから解説

バンガード社のETF「VOO」と「VTI」は何が違う? 投資信託・ETF

バンガード社の米国ETF(上場投資信託)である「VOO」と「VTI」について、どのような違いがあるのか気になったので調べてみました。

VOOとVTIはともに米国株式に投資するETFですが、違いとしてはVOOがS&P500の指数連動型に対してVTIは米国株式市場のほぼすべての銘柄をカバーしているという違いがあります。

投資先の銘柄数が圧倒的に異なるので、どちらを買うかでパフォーマンスに大きな差が出そうです。

そんな2つのETFですが、結論からいうとパフォーマンスに差はないがVOOの方が分配金が多いという結果になります。

その理由を2つのETFの特徴を交えて見ていきます。

「VOO」と「VTI」の特徴

2つの米国ETFである「VOO」と「VTI」の特徴について見ていきます。

これら2つのETFはアメリカのバンガード・グループが運営するETFです。バンガード・グループは40年以上の歴史を持つ資産運用会社であり、運用額は5兆ドル以上と巨額の資金を運用している信頼できる会社です。

「VOO」と「VTI」は

  • バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)
  • バンガード・S&P500 ETF(VOO)

の略で、VTIはトータル・ストック・マーケットの名の通り、米国上場企業の約3000社ほぼ100%が投資対象です。

VOOはS&P500の指数に連動するETFとなっています。そのため、投資対象は500社になります。

2つのETFのその他の特徴はこのようになっています。(2020年6月30日時点)

VTIVOO
経費率(年)0.030%0.030%
基準通貨USDUSD
ファンド純資産総額147.73億ドル143.38億ドル
特徴完全法を用いたパッシブ運用インデックス・サンプリング法を用いた
パッシブ運用

どちらも構成としては大きな差はなく、運用方法と投資先が異なります。

「VOO」と「VTI」のパフォーマンス比較

投資を行う上で気になるのはパフォーマンスです。投資するからにはパフォーマンスがいい方に投資したいですよね。

2つのETFの10年間を比較したチャートはこのようになっています。

VOOとVTIの比較チャート

青色がVOO、赤色がVTIのチャートです。見事なシンクロ率ですね。

さらに比較期間を長くすると多少VTIの方がパフォーマンスがいいみたいですが、これから投資を始める人や、ここ10年で投資を始めた方には影響のないことなので割愛します。

VTIの方がパフォーマンスが良くなる理由としては、小型株の方が成長したときにリターンが大きいから、という理由ですが、現在のETFの構成では小型株のパフォーマンスはあまり違いが出ていないようです。

構成銘柄の上位が似ている

パフォーマンスに差が出にくい理由としてVTIもVOOも構成銘柄似ているという理由があります。

VTIとVOOの構成銘柄の上位30銘柄はこのようになっています。

順位VOO構成比VTI構成比率
1Microsoft Corp.6.00%Microsoft Corp.5.04%
2Apple Inc.5.78%Apple Inc.4.65%
3Amazon.com Inc.4.49%Amazon.com Inc.3.82%
4Facebook Inc. Class A2.12%Facebook Inc. Class A1.78%
5Alphabet Inc. Class A1.65%Alphabet Inc. Class A1.39%
6Alphabet Inc. Class C1.62%Alphabet Inc. Class C1.32%
7Johnson & Johnson1.44%Johnson & Johnson1.21%
8Berkshire Hathaway Inc. Class B1.32%Berkshire Hathaway Inc. Class B1.07%
9Visa Inc. Class A1.26%Visa Inc. Class A1.06%
10Procter & Gamble Co.1.15%Procter & Gamble Co.0.97%
11UnitedHealth Group Inc.1.09%UnitedHealth Group Inc.0.91%
12Home Depot Inc.1.05%Home Depot Inc.0.88%
13JPMorgan Chase & Co.1.04%Mastercard Inc. Class A0.86%
14Mastercard Inc. Class A1.02%JPMorgan Chase & Co.0.83%
15Intel Corp.0.99%Intel Corp.0.83%
16NVIDIA Corp.0.91%Verizon Communications Inc.0.75%
17Verizon Communications Inc.0.89%NVIDIA Corp.0.73%
18AT&T Inc.0.84%AT&T Inc.0.70%
19Adobe Inc.0.82%Adobe Inc.0.69%
20PayPal Holdings Inc.0.80%PayPal Holdings Inc.0.67%
21Walt Disney Co.0.78%Walt Disney Co.0.66%
22Netflix Inc.0.77%Netflix Inc.0.65%
23Cisco Systems Inc.0.77%Merck & Co. Inc.0.64%
24Merck & Co. Inc.0.76%Exxon Mobil Corp.0.62%
25Exxon Mobil Corp.0.74%Bank of America Corp.0.60%
26PepsiCo Inc.0.71%PepsiCo Inc.0.60%
27Bank of America Corp.0.71%Pfizer Inc.0.59%
28Pfizer Inc.0.71%Comcast Corp. Class A0.58%
29Comcast Corp. Class A0.69%Cisco Systems Inc.0.58%
30AbbVie Inc.0.67%AbbVie Inc.0.57%

構成比率や順位が違うものの、組入上位30銘柄の構成がすべて同じです。

まったく違うETFのように見えて実は中身を見れば大部分は同じ構成になっているんですね。そういった理由もあり、パフォーマンスが同じような形になっています。

「VTI」と「VOO」の分配金の比較

2つのETFのともに分配金が支払われます。

株で言うところの配当金みたいなものですね。「VOO」も「VTI」もパフォーマンスがほとんど同じなら差が出るのは分配金になります。

2つのETFの直近の分配金を比較してみました。

まずはVTIの直近の分配金です。

権利落ち日直近の分配金実績
2020/6/25$0.70
2020/3/26$0.61
2019/12/24$0.89
2019/9/16$0.70
2019/6/17$0.55
2019/3/25$0.77
2018/12/24$0.72
2018/9/28$0.71
2018/6/22$0.60
2018/3/22$0.57

年間4回にわけて分配金が出されます。直近2年間の分配金は0.57~0.89ドルで推移しています。

分配金は年間4回支払われるので、2019年の場合だと分配金の合計は2.9ドルになります。

日本円で1口あたり約300円の分配金がもらえます。2020年6月30日時点の価格は156.53ドルなので、年間の利回りだと1.8%になります。

高くもなく低くもなくといったところでしょうか。

続いてVOOの分配金です。

権利落ち日直近の分配金実績
2020/6/29$1.43
2020/3/10$1.18
2019/12/23$1.43
2019/9/26$1.30
2019/6/27$1.39
2019/3/21$1.46
2018/12/17$1.29
2018/9/26$1.21
2018/6/28$1.16
2018/3/26$1.08

VOOは直近だと1.08~1.46ドルで推移しており、2019年の分配金は合計で5.57ドルとなっています。

2020年6月30日時点でVOOの終値は283.43ドルなので年間の利回りは1.9%となります。

まとめると、VTIとVOOの年間利回りは

  • VTI・・・1.8%
  • VTI・・・1.9%

というような形になりました。若干VOOの方が優勢といった形でしょうか。

0.1%の差なんて誤差のように思えますね。ただ、もう少し長い期間で見てみると見え方も変わってきます。

2011年からの年間分配金の推移をグラフにしてみました。

VTIとVOOの分配金推移

2014年を堺に急激にVOOの分配金が増えてきていることがわかります。

VOOはS&P500の銘柄にしか投資がされないので、経営基盤が強く、キャッシュを多く持つ企業の割合が増えます。

そのような理由もあり、VOOの方が分配金の伸びが大きいと予想できます。

また、今後もこの傾向は続くのではないでしょうか。分配金の上昇期待値ならVOOの方が期待値が高いです。

まとめ:パフォーマンスはほぼ同じだがVOOの方が分配金の期待値が高め

バンガード社のETFである「VTI」と「VOO」についてパフォーマンスや組入銘柄、分配金などの特徴を解説してきました。

パフォーマンスに関してはVTIもVOOもほとんど同じような動きをしているので、今後も大きな差は生まれないと考えれます。

ただ、VOOの方がS&P500という大型株が連なる指数に連動しているため分配金の増加する勢いが強いです。

今後も米国の大手企業が増配を続けるのであればVOOの方がVTIよりも分配金の伸びが大きくなるのではないでしょうか。

米国の小型株が今後ものすごい勢いで伸びていくことに期待するならばVTIに、今後も大型株が米国を牽引していくことを予想するならVOOに投資するような形になるかと思います。

ちなみに、私は投資信託でS&P500に投資しています。投資信託の方が手数料が安いので長期投資には向いていると私は考えています。

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