【良品計画】上場来初の赤字転落!米国とECが今後の鍵を握るのか

【良品計画】上場来初の赤字転落!米国とECが今後の鍵を握るのか 日本株

良品計画(7453)が2020年7月10日に第1四半期決算を発表しました。経常利益が約41億円の赤字となり、上場来初の四半期赤字決算となるようです。

これまでの上り調子から、コロによる赤字転落とかなり厳しい状況です。

ただ、3~5月の売上状況は最悪でしたが、6月以降は前年比超えの回復も見せており、わずかに回復の兆しも見えてきました。

良品計画の決算内容とチャプター11を申請した米国小会社の状況も踏まえ、状況を確認していきたいと思います。

良品計画の業績推移

良品計画の業績推移を確認していきます。まずは昨年までの年間の業績です。

(百万円)

年度売上高営業利益純利益1株益(円)
15. 2260,25423,84616,62362.8
16. 2307,53234,43921,71881.8
17. 2333,28138,27825,83197.5
18. 2379,55145,28630,113114.7
19. 2409,69744,74333,845128.9
20. 2438,71336,38023,25388.5
良品計画の業績推移

良品計画の売上高は昨年度までは右肩上がりで順調に推移してきたことがわかります。ただ、営業利益に関しては2年連続で減益という状況であり、少し雲行きが怪しいですね。

原因としては、価格見直しや消費増税対応、在庫の増加などがあり、営業利益率の低下に繋がったようです。

2019年10月以降の増税でも一部商品を除き商品価格を据え置きとした対応もあり、単純に増税分の2%が利益から減っているのも影響として考えられます。

増税しても値上げがされなかったので消費者としては嬉しい限りですが、投資家としては利益が減ってしまう可能性が高いので厳しいですね。

参考:無印良品 2019年10月1日からの消費税増税について

いずれにしても2%分を値上げせずに回収するのはそう簡単なことではないと思いますね。

2020年第1四半期の決算と2020年8月期業績予想

2020年7月10日に第1四半期決算(2020年3月1日~2020年5月31日)が発表されました。

コロナの影響を一番受けた期間の決算なのでかなり悲惨な結果となっています。

(百万円)

売上高営業利益純利益1株益(円)
2020.1Q78,753△ 2,899△ 4,116△ 15.65
2020.2Q予想174,500△ 2,000△ 3,900△ 14.83
2Q予想-1Q95,747899216

第1四半期は営業利益は約28億円の赤字、純利益は約41億円の赤字とコロナの影響がかなり大きく出ています。

特に国内では店舗の閉鎖が行われたり、海外ではロックダウンの影響もあり、店舗に人が来れない状況であったので、こればかりは仕方がないとしか言えないですね。

各地域のセグメントはこのようになっています。

(百万円)

セグメント売上高営業利益
国内事業51,829△ 990
東アジア事業19,5141,441
欧州事業4,114△ 1,991
西南アジア・
オセアニア事業
3,292△ 103

東アジアを除く、全地域で赤字という結果になっています。

国内では店舗の売上は減少したものの、オンラインストアの需要が大きく伸びており、特にテレワーク関連のホームオフィス用品や生活必需品の需要はかなり大きく伸びたようです。

ステイホームの特需ですね。

ただ、店舗閉鎖の影響は大きく、赤字となっています。

次に、東アジアは店舗数が358店舗と日本の次に店舗数が多い地域になり稼ぎ頭となっています。コロナの影響で中国でも店舗での売上は減少しましたが、こちらもオンラインストアの売上が前年比超えとなり、赤字にはならなかったようです。

ただ、オンラインストアの需要は伸びたももの、東アジア全体で見た場合は前年比△36.7%の売上減と営業利益も前年比△69.2%減の大幅な減収減益です。

その他の地域もロックダウンの影響もあり、赤字となっています。

1Qはかなり厳しい出だしとなりました。

良品計画の財務状況

コロナの影響が長期化した場合は財務状況が悪いと最悪の事態もありえますが、良品計画の財務状況はどうなっているのでしょうか。

2020年2月の決算時点では

(百万円)
総資産306,512
自己資本204,040
自己資本比率66.60%
資本金6,766
利益剰余金199,590
有利子負債5,073

財務状態としてはかなり健全ですね。

自己資本比率も66%とかなりキャッシュに余裕がある会社です。コロナが長期化しても数年は問題なく経営できるのではないでしょうか。

中期経営計画の達成時期が未定に

コロナの影響を受け、中長期計画も達成時期が未定とされました。

本来であれば来年には達成する予定の中長期経営計画でしたが、現在の情勢がいつ変わるかわからない為、達成時期が未定となっています。

出典:良品計画 データブック 2020年8月期

コロナがなかったとしても、営業収益、営業利益ともに達成出来るか昨年の段階で微妙な状況ではあったので、コロナのせいにして引き下げたとも考えられます。

特に昨年の数字だと営業利益は約360億円だったので倍近くの数字を出す必要があります。

革新的なサービスや商品展開でもない限りはかなり厳しい計画だったのではないでしょうか。

売上に関してはかなり順調に伸びていたのでコスト面などの見直しや不採算の改善ができれば2021年は難しくても数年のうちには達成できそうです。

世界店舗数に関しても、今増やすのはあまり得策とも思えません。

既存店舗は

  • 国内・・・436店舗
  • 海外・・・535店舗

の合計971店舗です

。1,200店舗にするには200店舗ほど新規店舗が必要ですが、さすがに今200店舗増やすのは冒険かな、というのが個人的な感想です。店を作っても人が来なかったらただ固定費が増えるだけですからね。

時期を見極めることが大切になりそうです。

ただ、小売業なので、新店舗が黒字化できれば店舗数を増やすことが業績の向上に繋がることは事実なので、いずれは店舗数を増やすことは必要になるでしょう。

今年度の業績が厳しくても、来年度にどれだけ戻せるかに期待したいところです。

6月は売上が前年比超えの回復

いろいろと悲惨な第1四半期の決算でしたが、6月の売上は回復傾向にあります。

良品計画 月次資料
出典:良品計画 データブック 2020年8月期

3~5月はかなり悲惨の水準ですが、6月は軒並み前年比超えと需要が回復していることがわかります。

もちろん、自粛期間からの反動であることは否めません。

最近は経済の流れも動き始め、自粛期間で買い物に行けなかった人が一気に買い物に来た可能性があります。

7月の月次が下がっていなければ今後も業績の回復が期待できますが、これからまた下がるとなると今年度は厳しくなりそうです。

まずは7月の月次を待ちましょう。

チャプター11を申請した「MUJI U.S.A.」とは

「MUJI U.S.A.」はアメリカに展開する子会社で、無印良品事業を展開していました。

ニューヨークなどの賃料が高い土地に出店していたこともあり、コロナ以前から採算性が悪かったようで、賃料の交渉や売上拡大の施策に取り組んでいました。

しかし、今回のコロナウイルスの影響により全店舗閉鎖、当面の先行きが不透明なこともあり、チャプター11の申請に至ったようです。

チャプター11は日本でいう民事再生法のようなもので、破産申請みたいなものです。

アメリカの不採算店舗を閉鎖し、今後の収益改善に向けて再びスタートを切るようです。

チャプター11は破産申請みたいなものですが、良品計画事態の存続に影響があるわけではないで、そこは安心してください。

ただ子会社の破産なので損失はあるようです。

負債額は額5300万USドルです。また、MUJI U.S.A.の株式評価額は0円となり、減損処理は既に行われています。

米国は経済の中心です。米国でビジネスが上手く行けば業績にはかなり大きなインパクトがあるはずですが、今回のMUJI U.S.A.のチャプター11申請があったように、なかなかうまくいかないのが現状のようです。

米国は変化のスピードも早く、市場を見極める目が必要になります。このあたりがうまく見極められないと今後の戦略もうまく行かないのではないでしょうか。

経営者の手腕が問われます。

まとめ:消費の回復、EC事業、米国事業に期待

まずは直近の情勢がいつ回復に向かうかが業績の鍵を握っています。

最近は外出する人も増えてきていると私自身も肌感覚で感じています。イベントなどは自粛が続きますが、消費に関しては徐々に回復傾向になるのではないかと考えています。

ただ、元通りに戻るのかはまだわかりません。まずは消費の回復を待つしかありませんね。

ただ、いつまでも店舗に人が来ることを待ってはいられないので、EC事業に力を入れていくことは既定路線かと思います。

コロナの影響でEC事業が強い会社は売上も安定していました。人と接触せずに買い物が出来るEC事業はこれからしばらくは需要が伸び続けるのではないでしょうか。

また、EC事業は店舗よりも固定費が安く済みます。利益率の改善にも効果があるので、軌道に乗せたいところですね。

最後に米国事業です。経済の中心であるアメリカの事業はどの会社も成功させたいと思っていることでしょう。

良品計画もそのうちの1社ですが、未だに赤字が継続し、ついに破産となりました。

既存店舗の閉鎖を行い、心機一転、新たなスタートを切るので次はしっかり分析し、失敗を活かしてほしいところです。

良品計画の第1四半期は最悪の出だしでしたが、まだいろんな方面で伸びしろが残されているように感じます。

まだ情勢が安定していないのでなんとも言えないですが、今どれだけ経営を見直せるかで今後の業績を左右しそうですね。

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