【三井住友FG】累進配当は継続!株価は軟調だが今後のデジタルシフトへ期待

三井住友フィナンシャルグループ 累進配当は継続!株価は軟調だが今後のデジタルシフトへ期待 日本株

メガバンクの一角である三井住友FG(フィナンシャルグループ)が2020年3月期決算を発表しています。

来期予想は前期比-43%予想ですが累進的配当を株主還元に掲げており、配当は190円の据え置きとなりました。

そんな三井住友FGですが、最近IT投資にかなり力をいれており、デジタルシフトが加速しているようです。

株価は軟調ですが、今後のデジタルシフトの結果によってはかなり大きな変化をもたらすのではないかと個人的に期待しています。

三井住友FGの業績

まず、三井住友FGの直近の業績は以下のようになっています。

(百万円)

年度経常収益経常利益純利益1株益(円)
15. 34,851,2021,321,156753,610551.2
16. 34,772,100985,284646,687472.2
17. 35,133,2451,005,855706,519516.0
18. 35,764,1721,164,113734,368520.7
19. 35,735,3121,135,300726,681520.0
20. 35,314,313932,064703,883511.9
三井住友FGの業績推移

直近5年間の業績については、上昇傾向であったものの、2020年はコロナの影響による市場悪化や与信関連の費用増加に加え、グループ再編費用も重なり減益となっています。

2020年は減少となったものの、グループ再編やコロナの影響を除くと前年と同様程度の業績となるようです。

著しく業績に影響を与えることはないようなので、まずは一安心といったところでしょうか。

ただ、次年度はウイルスの影響もあり、業績予想は前期比-43.2%の▲4,000億円となっています。

一過性の影響で済むかは今の所まったくわかりませんが、直近ではかなり厳しい業績となることが考えられます。

ただ、三井住友FGは事業を多角化しており、資金の貸出や運用だけで稼いでいるわけではありません。

三井住友FGの粗利の内約はこのようになっています。

三井住友FG 2020粗利益
出典:三井住友フィナンシャルグループ 決算関連資料

融資などの利益が半分以上を占めていますが、その他事業でも大きく収益をあげています。

役務取引等利益というのは、為替取引や投信、保険、証券などの取引手数料の儲けであり、手数料のようなものです。法人だけではなく、個人取引の利益も上がっているということです。

役務取引等利益が1兆円以上もあり、融資などの法人向け金融事業以外でも十分に稼げていることがわかります。

稼ぎの割合が大きいSMBC日興証券は証券会社であり、売買手数料などが収益源です。また、SMCCは三井住友カードのことで、クレジットカード等のビジネスとなっています。

法人、個人の両方で稼げているので、ある程度の安定感はあります。直近では資金利益以外をどれだけ伸ばせるかが業績に大きく関わってくると考えられます。

三井住友FGの配当状況

三井住友FGは累進的配当を株主還元方針として掲げており、毎年増配もしくは配当の維持を行っています。

22年までに配当性向を40%に高めることが基本方針となっています。また、機動的な自己株式の取得も株主還元の方針としてあげられており、株主を意識した施策に期待されます。

そんな三井住友FGの配当はこのように推移しています。

三井住友FG 配当推移

2019年度までは配当性向が37%と22年までの40%を目指して徐々に配当性向が上昇していましたが、2020年は大幅な減益予想のため、配当性向が65.1%と目標を大幅に超えてしまいました。

目標の40%は超えていますが、累進的配当を掲げているので減配は行わず、前期同様の190円の配当となっています。

利益が戻らない限りは配当性向も40%を超えたままになるので、当面は配当金は190円据え置きになるかと思います。

累進的配当を掲げている中で、可能性としては低いとは思いますが、今後さらに業績が悪化すると減配も視野に入れる必要があるかもしれません。

三井住友FGの今後に期待する理由

銀行はかなり厳しい経営状況が続いています。

マイナス金利などの導入で銀行は利ザヤを稼げなくなっているので、今後も厳しい状況が続くと思います。

国の政策なので銀行側からはどうすることもできません。

そんな厳しい環境に置かれた銀行ですが、私は三井住友FGの今後に期待している部分がいくつかあります。

三井住友FGの重点戦略として以下の7つがあげられています。

  1. 資産運用ビジネスのサステナブルな成長
  2. 国内法人ビジネスの生産性向上とソリューション強化
  3. 海外CIBビジネスの高度化による資産・資本効率の追求
  4. ペイメントビジネスにおけるNo.1の地位確立
  5. グローバルベースでのアセットライトビジネス推進
  6. アジアのフランチャイズ拡大とデジタル金融強化
  7. 法人向けデジタルソリューションの展開

4,6,7はデジタル化に関する戦略であり、これまでの金融業のあり方から変わろうとしている姿が感じられます。

このようなことを踏まえて、私が三井住友FGに期待する3つの理由について書いていきます。

理由1. デジタルシフトに意欲的

まず第一にデジタルシフトに積極的なことです。

7つの重点戦略のうち、3つがデジタル関連の戦略となっており。かなり力を入れていこうとしていることが感じられます。

また、中長期計画では以下の3つがあげられています。

  • 情報産業化
  • プラットフォーマー
  • ソリューションプロバイダー

これまでの銀行では見たことの計画だと思います。IT企業の中長期計画みたいですね。

特に、情報産業化という観点は面白いのではないかと思っています。

三井住友FGは金融業なので数多くの決済情報が集まっています。現在、三井住友FGで収集できる決済情報を分析して提供するサービス「Custella」というものも既に存在しています。

今後の展望として、個人向けのマーケティングや広告事業にも発展させる可能性があると明言されているので、うまく行けば大きな収益源になる事業ではないでしょうか。

ITに力を入れいていくことが社内人事からも見えてきます。

三井住友FG傘下のSMBCクラウドサインの社長に37歳のエンジニア出身の人が就任しました。

年向序列色が強い銀行で異例の人事だそうです。

それだけ積極的にITに投資をしていく意気込みだと思います。

ITを活かした事業がどのようになるのか、期待できるのではないでしょうか。

理由2. コストカットによる経営の効率化

三井住友FGは2022年までに経費を1,000億円削減することを目標に掲げています。

単純に1,000億円の経費削減となると、三井住友FGの経常利益が10%以上増加することになり、大幅な増益となります。

具体的な方法としては

国内のビジネスモデル改革500億円
リテール店舗改革250億円
グループベースの業務集約・共通化250億円

があげられています。

本部人員の3割削減や店舗の軽量化、業務効率化で2,200人分業務削減、本社機能の1体化など、かなり大幅なコストカットに踏み切るようです。

個人的には、最近はネットで振り込みもできますし、口座開設もできてしまうので、知っ店舗の必要性をあまり感じていませんでした。

個人の預金管理を行うには、店舗はコストがかかりすぎるようですね。

今後は他の銀行もこの流れに続くのか、気になるところです。

思い切ったコストカット戦略ですが、大幅な人員削減や業務の効率が可能というあたり、まだまだ改善の余地はあるのではないかと思います。

コストカットは利益の増加に直結するので、無理のない範囲であればどんどんやっていただきたいところです。

理由3. 海外事業の着実な成長

国内だけでは成長に限界がありますが、海外事業に積極的に展開しているので今後の成長に期待が持てます。

海外DCMに関しては収益が毎年伸びており、今後も大きな成長が期待されます。

DCMはDebt Capital Marketの略で企業が発行する社債や、その他の債権の引受手数料を収益にするビジネスです。

海外の企業でも社債の発行件数は数多くあり、今後も収益が期待できそうです。

他にも、SMBC日興証券の海外強化も施策にあり、海外での業績が今後は三井住友FGの業績に影響を与えていきそうです。

デジタル化の成功に今後が左右されるのではないか

三井住友FGは今後、IT投資に積極的に力を入れ、ビジネスの拡大とコストの削減を行っていく方針です。

個人的には、これらの施策は時代の流れにもあっておりうまく軌道に乗ればかなり大きな成果を出せると思います。

ただ、伝統的な企業であり、社員数かなりの人数になります。簡単にデジタル化と言ってもついてこれない社員や抵抗勢力もあると思います。

そのような問題点をうまくクリアし、かつ新たなビジネスをうまく進められるかに今後が左右されると私は考えています。

株価は長期的に低迷していますが、デジタル化の結果次第では株価の復活もあり得るのではないでしょうか。

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