【日本たばこ産業】高配当株JTの配当は今後も続くのか分析

高配当株JTの配当は今後も続くのか分析 日本株

高配当で皆さんご存知のJT(日本たばこ産業)ですが、2020年7月10日時点で配当利回りは驚異の7.9%となっています。

さらに1年以上100株以上の株を保有すると株主優待までもらえる超高配当銘柄です。

ただ、タバコ産業は国内での規制がどんどん強くなり、年々喫煙者数も減少傾向なので未来は明るいとは言えない業界です。

そんなJTですが、配当利回りが驚愕の数値でもあるので、今後もこの状態が続くのか分析していきます。

JTの事業内容

JTの事業内容は大きくわけて4つのセグメントに分かれています。

  • 国内たばこ事業
  • 海外たばこ事業
  • 医薬事業
  • 加工食品事業

JTはたばこ以外にも収益源があり、医薬事業だと「糖・脂質代謝」「免疫・炎症」「ウイルス」などの研究開発や薬品の販売も行っています。

また、加工食品事業だと冷凍食品や調味料、パンの販売なども行っています。

また、JTの主な収益源である、たばこ事業に関しては「日本たばこ産業株式会社法」という法律により、国内ではJTしかたばこを製造販売することが許されていません。

そのため、国内企業としては唯一タバコを取り扱う企業となっています。

ちなみに、「日本たばこ産業株式会社法」で政府はJT株の1/3の保有が義務付けられているので、JTの大株主は33.35%保有する財務大臣となっています。

国内ではJTしかタバコの製造販売ができないので、独占企業なの?

と思いますが、海外のタバコメーカーや企業の参入もあり、完全に独占している市場ではありません。

日本で唯一のタバコを取り扱う企業ですが、世界で見ると売上は第4位になります。

電子タバコの参入が遅れたので厳しい戦いが強いられています。

JTの業績

JTの直近の業績はこのようになっています。

(百万円)

年度売上高営業利益純利益1株益(円)
15.122,252,884565,229485,691270.5
16.122,143,287593,329421,695235.5
17.122,139,653561,101392,409219.1
18.122,215,962564,984385,677215.3
19.122,175,626502,355348,190196.0
JTの業績推移

売上に関しては2兆円程度で横ばいの水準となっていますが、純利益に関しては年々下落傾向にあります。

2015年と2019年で比較すると売上が約3%減に対して純利益は約28%減という大幅下落となっています。

これの主な原因は国内でのタバコの販売不調と海外利益の為替による影響の為と決算資料に記載がありました。

国内でのタバコの売れ行きはよくなくても海外でカバーできているようです。しかし、海外なので利益に為替の影響が大きくあり、成長分が数字に現れにくくなっているようです。

ただ、それでも毎年利益が減少しているので、本業のたばこ事業はかなり厳しいものになると予測されます。

事業セグメントごとの業績

JTは大きく分けて4つの事業セグメントがあります。

それらの業績は、2020年第1四半期の決算資料だと以下のような構成です。

JTの事業セグメントごとの利益

セグメントが4つありますが、やはり本業はたばこ事業なのでタバコだけで利益の95%を占めています。

医薬品事業や食品事業が伸びれば業績の回復も期待されますが、大幅な成長は期待できなさそうです。

意外かもしれませんが、日本のタバコ販売企業であるJTですが、海外比率が68%もあり、かなり世界的な企業であることがわかります。

日本のタバコを取り巻く現状からすると、海外に比率を高めていることはいい傾向だとも思います。

今後の市場開拓による売上増加は期待できそうです。

タバコ市場の推移と取り巻く状況

JTの収益の9割以上を占めるタバコですが、市場としてはどのようなものなのでしょうか。

タバコの国内販売状況

JTの売上に大きく影響するタバコの国内販売状況の推移は以下のとおりです。

タバコの販売本数推移
出典:一般社団法人日本たばこ協会

販売本数は2000年以降、明らかな右肩下がりです。

ここ20年で販売本数は半分程度まで減少し、国内市場がどんどん小さくなっていることがわかります。禁煙の流れもあるので、仕方がないことではありますね。

販売代金は以下のとおりです。

タバコの販売代金推移
出典:一般社団法人日本たばこ協会

販売本数が20年間で半分程度まで落ち込んだのに対して、販売代金に関しては20%程度の減少で済んでいます。

これは増税やタバコ単体の値上げによる影響が大きいです。

セブンスターというタバコ銘柄は2000年に250円程度だったのが、現在は500円を超えています。

ちょうど販売本数の下落とリンクしているように見えますね。販売数が半分になった代わりに値段が倍になることで売上がほとんど変わらないという構図です。

ただ、タバコは依存性のあるものなので、値上げをしても売上が維持できていると推測できます。

禁煙の流れは今後も加速していくことが予想される

今後も国内市場はどんどん小さくなっていくことが予想されます。

2020年4月からは改正健康増進法により、タバコのルールが更に厳しくなりました。

特に大きいのが「屋内原則禁煙」というものです。

今までは飲食店や居酒屋では喫煙することが許されている場所が多かったですが、屋内では禁煙となり、喫煙スペースに行く必要があります。

一部例外もありますが、かなり厳しいルールとなり、喫煙者は今後も減り続けるのではないでしょうか。

また、増税や値上げの影響でタバコも安いものではなくなってきています。

若い人はそもそも所得が少ないので、世論の風潮もあいまって自分から喫煙者になろうと思う人は減る一方だということが考えられます。

国内市場はかなり厳しいことになりそうです。

発展途上国のシェアを増やせるかが鍵

先進国ではタバコに対する規制はどんどん強くなっています。また、健康に対する意識も高まっています。

そのため、市場として期待されるのは発展途上国の市場になるかと思います。

多くの国民がタバコを買えるような経済水準になりつつある発展途上国の市場を開拓できれば今後のJTの業績も期待できるかと思います。

もちろん、世界の各タバコメーカーも参入してくるので厳しい戦いになるとは思いますが。

JTの株主還元方針

ほとんどの人がJTを買う理由は、高配当銘柄であることが理由だと思います。

2020年7月10日時点で7.9%の驚異的な利回りであり、数値だけ見ると魅力的に見えます。

本当に問題がない配当水準なのか、JTの株主還元方針とともに確認していきます。

積極的な株主還元

JTが掲げる株主還元方針は以下のとおりです。

  • 1株当たり配当⾦の安定的/継続的な成⻑
  • ⾃⼰株式取得は、事業環境や財務状況の中期的な⾒通し等を踏まえて実施の是⾮を検討
  • 引き続きグローバルFMCGの還元動向をモニタリング

まず、配当金の安定的/継続的な成長を上げていることから、今後も配当金に関しては意識した施策をとっていくことが考えられます。

また、筆頭株主は財務大臣であり、国の大きな収益源となっています。

財務大臣の保有株数は666,925,200株なので、1株配当154円の場合、約1,000億円の配当金が国に収益として入ります。

タバコで税金を取り、配当金も吸い上げているのでボロ儲けです。

配当を意識するのも理解できます。

また、自社株買いも今後の業績次第では期待できそうです。

株主還元には積極的な姿勢が見られます。

還元に積極的すぎる配当性向

株主還元に積極的なJTですが、配当金の推移は以下のとおりとなっています。

JTの配当金推移

2020年の予想配当は154円となっており、2012年の頃から比較すると8年で2倍以上の配当金となっています。

凄まじく株主還元に積極的ですが、配当性向が約90%と限界に近い水準になっています。

配当性向は純利益からどの程度の配当を出しているかという指標です。

配当性向90%ということは利益の90%を配当金として出しているので、これ以上の還元を期待することは難しいです。

100%を超えると自己資本から配当金に出すことになるのでそのようなことになると経営に影響が出てきます。

今後配当金を増やすには原資である利益を増やす必要があります。

JTの今後の配当について予想

配当性向が年々上昇し、ついに90%近い水準になりました。

さらに、純利益が年々減少しているので、今の配当金を維持した場合はさらに配当性向が高くなることが懸念されます。

あと数年今の配当金を維持できるかは現在の業績から予想すると難しいと言わざるを得ないと思います。

今後のJTの配当予想としては、よくて現状維持、このままいくと減配というのが私の予想です。

筆頭株主が財務大臣の為、減配があっても大幅には減らないと思いますが、覚悟は必要だともいます。

たばこ市場に大幅な変化がない限りは、長期的に見ると厳しい結果になりそうです。

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